審査結果報告
(財)日本医療機能評価機構付加機能<リハビリテーション機能>審査結果報告書より総括
貴院は、高齢社会を見据えたリハビリテーションの専門施設として、早くから地域の中で特徴的な医療の提供を努めてきており、それに相応しい充実した専門スタッフを確保して、質の
高いプログラムを患者に提供してきたことは高く評価したい。そのような実績を背景に、県内唯一の「地域リハビリテーション広域支援センター」として、リハビリテーションに関する他の施設の技術支援等の役割を担うなど、医療関係者を中心に地域社会からも大きな期待を寄せられる存在となってきた。そのような中で、リハビリテーション付加機能評価を受審したが、今回の訪問審査では多くの評価項目において適切な水準が保たれていると評価判定され、特に問題となるような状況は見受けられなかった。今後は、貴院のリハビリテーション機能のさらなる向上を図るためにも、本報告での指摘を有効に活用することを期待したい。
Rh.1 リハビリテーションの地域における役割と基本方針
リハビリテーション部門設置の趣旨や理念・基本方針などは明確であり、職員への周知にもよく取り組んでいる。リハビリテーション部門の地域における役割についても、山梨県で唯一
の「地域リハビリテーション広域支援センター」としての機能を果たしており適切である。
Rh.2 リハビリテーション部門の組織体制と確立
リハビリテーション部門の組織体制は、充実した専門スタッフが配置されており、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、及びMSW(医療ソーシャルワーカー)などの各職種について
は高いレベルの知識・技術を有している。今後はリハビリテーション専門医の一層の充実した体制を確保することが望ましい。院内の他部門、あるいは院外の各施設との連携については、リハビリテーション専門病院である貴院では、リハビリテーション医療における地域との連携は良好であるが、院内の各委員会活動にリハビリテーション部門がもっと積極的に関わることが望ましい。また、リハビリテーション以外の専門診療科との連携についても、地域の医療施設をさらに活用した取り組みに期待したい。
Rh.3 リハビリテーション部門の適切な運営
リハビリテーション部門の運営については、専門病院であるので病院全体の運営会議の状況を評価したが、会議は定期的に開催されており、リハビリテーション部門を含めた運営上の課
題などが検討されており適切であると評価した。各種の業務マニュアルはよく整備されており、教育・研修に関してもリハビリテーション部門独自の「育成体系マニュアル」を作成して積極的に取り組んでいる。業務実績についてはよく把握しているが、治療成績や技術水準の評価には取り組み始めたばかりであり、今後に期待したい。
Rh.4 リハビリテーション部門の施設・設備の整備
リハビリテーション部門の施設・設備については、理学療法、作業療法、言語聴覚療法のいずれについても適切に整備されている。また、入院患者の自立に配慮した生活リハビリテーシ
ョンの実施や自助具、介助用品なども整えられている。さらに、家屋評価のための用具や機器などもよく整備されており、家庭復帰に向けた退院支援として積極的に活用している。
Rh.5 リハビリテーション対象患者への適切な対応
患者の受け入れは、多職種による会議を定期的に開催して検討しており、受け入れ基準についても明確に定められている。病院全体が回復期の患者を対象としており、3つある回復期リ
ハビリテーション病棟はほぼ同じような機能を有していて、一般病棟は入院患者の急性期疾患の治療、あるいは回復期病棟の算定適用外でもリハビリテーションが必要な患者を受け入れるために使われている。リハビリテーション・プログラムについては、マニュアル類がよく整備されており、理学療法、作業療法、言語聴覚療法のいずれも、医師の指示箋に基づきおおむね適切に行われている。しかし、予後予測などに関する説明と同意に関しては今後さらに取り組む必要があり、リハビリテーションチームのリーダーとしての医師の関わりを深めることも検討されたい。また、リスク管理に関する配慮やプログラムの見直しに関しても、記録の上からあまり行われていない印象を受けたので、さらなる取り組みに期待したい。加えて、個々の患者の短期ゴールと長期ゴールの設定などはもっと明確にする必要がある。患者の障害受容に対する援助は、診療録には取り組みの状況が余り記載されていないが、臨床心理士が関わっており一定程度の対応はなされていると評価した。退院後の継続的なリハビリテーションへの取り組みは適切である。
Rh.6 リハビリテーション科の診療とチーム・アプローチ
院長がリハビリテーション科の専門医で、FIM(機能的自立度評価表)の導入などにリーダーシップを発揮している。しかし、管理的業務の多忙さから専門医として現場に関わり続け
ることには限界があるものと思われた。主治医からのリハビリテーション依頼箋はチェック項目方式であり、リハビリテーションの担当医による細やかなプログラムの記載はなく、やや現場任せの印象を受けたが、多職種でのカンファレンスは頻回に行われていて現場スタッフのチームワークは良好である。また、患者・家族を交えたカンファレンスにも積極的に取り組んでおり、患者・家族もチームの一員であるというアプローチが実践されていることは高く評価したい。今後は、カンファレンスの記録の充実と、地域リハビリテーションに関するリーダー的病院として、さらに専門的なプログラムを提供できる体制の構築を努められたい。
|